いまだにアクセントやイントネーションはボロボロです(恥ずかしい)。
そんな、日々アクセント辞典と格闘する私にとって、もってこいのフォーラムがあり、聴講しましたので、2回に分けて報告します。少し前の3月2日の内容ですが、ブログを見に来て下さっている方々の中には、地方出身者で同じように苦労してきた方もおられると思いますので、自分のため、同士のために。
2016年3月2日(水)千代田放送会館前 |
配布資料には、
「日本語の現状を正確に把握した上で、放送ではどういった『基準』を打ち立てるのが、いま生きている人たちにとって最善なのか。」とあります。
「日本語の伝統を継承し、21世紀の現代にもっとも合うように調整 “公的な場面でのことばのドレスコード”」
聴講していてうれしく思った言葉は、
「蒸留水のようなもの」というフレーズでした。
あくまでも、【放送で用いるのに】ふさわしいことばの発音・アクセントであると。
関西弁や京言葉を用いる方々は堂々たる存在感ですが、その他の地域出身者はお国訛りや方言を恥ずかしく思ったり、隠したり、肩身の狭い思いをしてませんか(私の偏見です)。
*その点、朝ドラ『あまちゃん』 2013(平成25)年放送、脚本家:宮藤官九郎さんの功績は大きい! ・・・ちょっと話がずれてきたかな。
「放送で用いるのにふさわしいことばの発音・アクセント」というものは、
①情報伝達の面で伝わりやすいというわけで、
②特定の地域を連想させない
③特定の年代を連想させない
④あらたまった場面での使用を想定
→現代の公共的な場面での情報伝達の手段として、
(蒸留水のように)もっとも無色透明のもの
「私はそれを意図して習得しようとしているんだ。共通語は蒸留水であって、故郷のお国言葉はとっても味わい深いものなのよね」って、とにかく嬉しかったんです。
小休憩 ☆ 親水公園にて さっきまで川にいた鴨が背後を歩いていてビックリ‼ |
さて、大改訂によって何が変わるのか。
♦記号の表記方法何より重要なのはアクセントの変更です!
♦見出し⇒国語辞典方式に
♦収録語数が現行版6万9000語 → 7万5000語
♦日本国内の地名の一部で、「地元放送局アクセント」を併記
♦動詞・形容詞の活用形を本編に
♦付録を充実(複合名詞、数詞+助数詞、付属語関連)
2008年から全4回にわたる調査を行ったそうです。
例えば1回目調査では、
本編69000項目+付録7000項目について、
NHKアナウンサー519人(有効回答498人(96%))
若年層(23~34歳、約200人)
中堅層(35~44歳、約180人)
ベテラン層(45歳以上、約120人)
『アクセント辞典』をコピーした回答用紙に、改定(アクセント変更・追加・削除)が必要と思う語について記入してもらう → 約 12000項目の指摘
このようにして、2回3回4回目と対象者や人数、調査内容などを吟味しながら、アクセント変更のための作業が進み、このたび 「削除」 「追加」 「順序変更」 がなされたそうです。Wow !! 下剋上!!??
ここで、私の琴線にふれた言葉2つ目。
塩田 主任研究員より、
「『末端は先端化する』ように、第1アクセントでなくてはならないと思われがちだが、NHKはそんなことは言っていない。第2アクセントは第1アクセントより劣るということはない。」
んだそうです。録音していたわけではないので、私のメモと記憶をたどって文章にしました。
朗読などをしていると、アクセントに関して、「最初に載ってる方(第1)でやりましょうよ」と指摘され、でも今はこっち(第2)で発音する人多いよな~っとモヤモヤしたことありませんか。
それが、今回の大改訂で実情に即した順序変更がなされますし、そもそも第2が劣るという訳でもないと聞き、ホッとしました。
小休憩 ☆ 春ですね 一段一段確実に昇って行きたいですね。 そして、傍らのお花にも気づく自分でありたい。 |
以上、私がとらえた要約です。
黄色の文字で表した箇所は資料からの抜粋部分です。
後日動画配信されるそうですから、詳細はそちらをご確認ください。
以下、関連URLを添付します。
<出演者情報>
http://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2016/program.html#programD
<NHK ONLINE 文研フォーラム報告>
http://www.nhk.or.jp/bunken-blog/600/239605.html
<秀島史香さんのブログより 『にほんご、その奥深い世界よ!』>
http://hideshima.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03
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