2017年12月9日(土) 劇団キンダースペース 『父と暮せば』 父:竹造(たけぞう)/小林幸雄 娘:美津江(みつえ)/深町麻子 |
撮影:中川忠満(舞台写真家) |
わたしが もっとも心にのこった 竹造の ことば です。
「あの日、 あの朝、 広島の上空 580mのところで 原子爆弾ちゅうもんが 爆発しよったのは 知っちょろうが。
爆発から1秒あとの火の玉の温度は 摂氏12,000℃ じゃ。
やい、12,000℃ちゅうのが どげえ温度か 分かっとんのか。
あの太陽の中心温度が6,000℃じゃけえ、あのとき、ヒロシマの上空580mのところに、太陽が、ペカーッ、ペカーッ、2つ 浮いとったわけじゃ。
頭のすぐ上に 太陽が2つ、 1秒から2秒のあいだ 並んで出よったけえ、 地面の上のものは 人間も 鳥も 虫も 魚も 石灯籠も、 一瞬のうちに 溶けてしもうた。
根こそぎ 火泡を吹いて 溶けてしもうた。
しかもそこへ 爆風が 来よった。
秒速350m、 音より早い 爆風。」
爆発から1秒あとの火の玉の温度は 摂氏12,000℃ じゃ。
やい、12,000℃ちゅうのが どげえ温度か 分かっとんのか。
あの太陽の中心温度が6,000℃じゃけえ、あのとき、ヒロシマの上空580mのところに、太陽が、ペカーッ、ペカーッ、2つ 浮いとったわけじゃ。
頭のすぐ上に 太陽が2つ、 1秒から2秒のあいだ 並んで出よったけえ、 地面の上のものは 人間も 鳥も 虫も 魚も 石灯籠も、 一瞬のうちに 溶けてしもうた。
根こそぎ 火泡を吹いて 溶けてしもうた。
しかもそこへ 爆風が 来よった。
秒速350m、 音より早い 爆風。」
「父と暮せば」井上ひさし 作/1998年/新潮社 初出/『新潮』1994年10月号 |
ずいぶん前に見たTVで、ある外国人が 、
「原爆が落とされた土地に、こんなにたくさんの人々が暮らしていたとは知らなかった」っと話していました。
日本に住んでいれば、荒廃した土地の写真や模型を見て、悲惨さが 想像できます。
それは、日本人が 限られた狭い平野で暮らしているからです。
でも、他の国で生まれ育った人たちの感覚は違います。
国境が 陸続きの国がほとんどです。
広大な平野をもつ国もあります。
わたしは、『原爆』に関しては、どこで生まれ、どんな生活や学びをした人にでも、充分に 【 伝わる伝えかた 】 が大切だとおもいます。
井上ひさしさんが残した この作品は、子どもにも、外国の人にも伝わる 具体的な例えが盛りこまれています。
分かりやすく、そして、考えさせられる。
後世に残すべき、すばらしい作品だと感動しました。
Japanese
title : 父と暮せば
English title : THE FACE OF
JIZO
German title : DIE TAGE MIT VATER
German title : DIE TAGE MIT VATER
Russian
title : жи3Hb с отцом
French title : QUATRE JOURS
AVEC MON PERE
Chinese title : 和爸爸在一起
Chinese title : 和爸爸在一起
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